『マタニティ・グレイ』 感想
アウトプットが少ないせいか、すぐに忘れてしまうので書いておこうかなと…
覚え書きです。ただの個人の感想です。
ネタバレありです。
石田衣良さん好きな人は以下は読まないでください。
マタニティ・グレイ 石田衣良さん著
★★☆☆☆
題名からもわかりますが、1人の女性の妊娠から出産までの小説です。
図書館でたまたま見つけて読んでみました。
私の現状が妊娠39週なので共感しながらあっという間に読んでしまった。
主人公の二宮(高部)千佳子は編集者として働いている32歳のキャリアウーマン。結婚しているが子どもが大嫌いであるため、子どもは産まないと宣言していた。
だが妊娠してしまう。
夫である高部一斗(フリーランスのカメラマン)は産んでほしいと千佳子に告げ、千佳子は産む決心をする。
千佳子の職場は小さな出版社で、産休育休制度がなかった。それを会社に認めさせるところから始まる。職場の先輩と上司はそれぞれ、不妊治療中と過去に流産の経験がある。これはありきたりに感じる。
出産する病院を選ぶシーンでも、助産院を選ぶあたり、ありきたり。
つわりのくだりもあったが2ページ程度で、つわりに本当に苦労した私からくると、ずいぶんとあっけらかんとしたもんだなーっていう感想。
そのあとは切迫流産になり二週間の入院の話。切迫流産に関しては『コウノドリ』の漫画のほうが断然、詳しく書かれていていいかな。
千佳子の両親との確執なんかは読んでいて楽しかった。私も似たようなところがあるから。
しかし、子ども嫌いだった千佳子が妊娠したことをきっかけに、すぐに気持ちが変わり出産に前向きになったこととか、妊娠しながらの仕事に対するモチベーションの高さ(文章からは妊娠中にフルで仕事をすることの大変さがほとんど感じられない)、妊娠してからも旦那といつまでもラブラブであることの不自然さ、などが私には到底理解できず。
そんな幸せなことばかりじゃないし、妊婦。
産休に入ってからの「やりたいことリスト」も、出産予定日間近じゃ危ないでしょ、みたいなこともある。
ラストは助産院での出産シーン。かなりの難産だったが、それもサラリと書かれていた。
やっぱり男性作者の目線だと思う。
私の性格によるところも大きいのだろうけど、もっとドロドロで大変なマタニティライフ、でも最後はできればハッピーエンド、みたいな作品を読んでみたいと思った。